2016年3月14日月曜日

夏目漱石『変な音』

夏目漱石の短編『変な音』です。
センター試験に出題されたこともあるのでご存知の人がいるかも知れません。
漱石はこれを書く前の年に修善寺で吐血し、生死の境をさ迷いました。運良く回復しますがその後も入退院を繰り返しています。この作品は入院した病院での出来事を綴ったものです。

入院している隣の病室から夜になると変な音が聞こえてきます。それは大根おろしをするような音でした。誰が、何のために……腑に落ちない漱石は音の発生源を考えます。ホラーやミステリーではありません。重症患者の病棟で生死を思う味わい深い掌編です。

思うところあって、体裁を変えた別ヴァージョンを作りました。