2018年3月20日火曜日

次の本が出来るまで その88

芭蕉の遺語集に作句の解説があります。

短いものを三ツ四ツ掲載したいと思います。


あけぼのや白魚しろき事一寸

あけぼのや しらうおしろき こといっすん

此句、はじめ『雪うすし』と五文字あるよし。無念の事なりといへり。


顔に似ぬ発句も出でよ初櫻

かおににぬ ほっくもいでよ はつざくら

此句は下の櫻いろいろ置きかへ侍りて、ふと『初櫻』にあたり、是、初の字の位よろしとて定まるなり。


名月や座にうつくしき顔もなし

めいげつや ざにうつくしき かおもなし

此句湖水の名月なり。『名月や児達双ぶ堂の縁』としていまだならず、『名月や海にむかへば七小町』にもあらで、『座にうつくしき』といふに定まる。


門人の句に


ぬしや誰ふたり時雨に傘さして

ぬしやだれ ふたりしぐれに かささして

と云ふ句あり。翁曰これは初五理屈なり。なしかふべしとあり。後に『後に月』とはいかがといへばよろしとなり。


※政治家の傲慢さばかりが目につく昨今である。本質をはぐらかすようなやり取りの中、唯一昨日心のある言葉を耳にした。理財局長が搾り出すように何度も口にした「いくらなんでも」「いくらなんでも」「いくらなんでも」

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